練習会のダブルス組み合わせの作り方|偏らない3条件
サークルの練習会で毎回もめるのは、実力差でも会費でもなく「組み合わせ」です。同じ人とばかり当たる、自分だけ休みが多い気がする、上手い人同士が固まっている——こうした不満は、決め方に基準がないときに必ず出ます。
結論から書くと、優先順位は①休みの回数を揃える → ②ペアの重複を避ける → ③対戦相手の重複を避けるの順です。この順で決めれば、手作業でも破綻しません。この記事では、人数別の待ち人数の数表、レベル差があるときの組み方、そして手作業が限界を迎える人数まで、当日その場で使える形で解説します。
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練習会の組み合わせは、何を優先して決めればいい?
優先順位は次の3つで、この順番に意味があります。上から順に満たしていき、下の条件は「できる範囲で」満たします。
- 休みの回数を揃える:誰が何回コートに入り、何回待ったか
- ペアの重複を避ける:同じ人と続けて組まない
- 対戦相手の重複を避ける:同じ人と続けて当たらない
なぜこの順かというと、不公平の体感は「試合数の差」にもっとも強く出るからです。同じ人と2回組むことは「たまたま」で済みますが、自分だけ2回多く待たされたことは正確に記憶されます。参加費を払って来ている以上、コートに立った回数の差は納得感に直結します。
逆に、③の対戦相手の重複は多少崩れても不満になりにくい条件です。人数が少ない練習会では、そもそも全員と1回ずつ当たること自体が不可能なこともあります。
3つを同時に完璧に満たそうとすると、組み合わせが作れなくなります。優先順位を先に決めておくと、「今回は対戦相手が重なるけれど、休みの回数は揃っている」と説明でき、その場の判断が早くなります。
なお、勝ち上がりで人数が絞られていく大会のドローとは考え方がまったく違います。大会の組み合わせについては 大会の組み合わせ(ドロー)の作り方 を、総当たりで順位を決めたい場合は リーグ戦(総当たり)の組み方 をご覧ください。
ペアが偏らない決め方は?
ペアの決め方は大きく3つあります。どれが正解ということはなく、サークルの性格と当日の目的で選びます。
| 方式 | やり方 | メリット | デメリット | 向く場面 |
|---|---|---|---|---|
| 固定ペア | その日はペアを変えない | 連携が育つ/管理が最も楽 | 相手が休むと成立しない/出会いが増えない | 大会前の調整・ペア練習 |
| ローテーション | 順番表に沿って毎巡ペアを入れ替える | 重複を機械的に避けられる/説明しやすい | 人数が変わると表が崩れる | メンバーが安定している定例練習 |
| ランダム | くじ・アプリで毎回引き直す | 当日の人数変動に強い/気を遣わない | 偏りが「たまたま」発生する | 参加者が毎回変わる練習会 |
ランダムは「偏らない」わけではない
もっとも誤解が多いのがここです。くじ引きは公平ですが、結果が均等になるとは限りません。8人の練習会で3巡回せば、同じペアが2回できることは珍しくありませんし、特定の1人だけが3回続けて待つことも起こり得ます。
「公平に決めた」ことと「結果が均等になった」ことは別です。参加者が不満に感じるのは決め方ではなく結果なので、引いたあとに休みの回数だけは必ず目視で確認するのが実務的な運用になります。
3方式を混ぜても構いません。前半は固定ペアで基礎打ちとゲーム、後半はローテーションで全員と当たる、という組み方は多くのサークルで採用されています。
人数がコート数に対して多いときは?
ダブルスは1コートに4人が入るので、計算はとても単純です。
- 1巡で試合に入る人数 = コート数 × 4
- 待ち人数 = 参加人数 −(コート数 × 4)
さらに「全員が同じ回数だけ休む」までに何巡必要かは、参加人数 ÷ 待ち人数で見当がつきます(割り切れるとき)。よくある人数で表にすると次のとおりです。
| 参加人数 | コート数 | 1巡の試合数 | 試合に入る人数 | 待ち人数 | 全員が1回ずつ休むまで |
|---|---|---|---|---|---|
| 10人 | 2面 | 2試合 | 8人 | 2人 | 5巡 |
| 12人 | 2面 | 2試合 | 8人 | 4人 | 3巡 |
| 14人 | 3面 | 3試合 | 12人 | 2人 | 7巡 |
| 16人 | 3面 | 3試合 | 12人 | 4人 | 4巡 |
| 20人 | 4面 | 4試合 | 16人 | 4人 | 5巡 |
| 24人 | 4面 | 4試合 | 16人 | 8人 | 3巡 |
この表から読み取れる実務上のポイントが2つあります。
待ち人数が少ないほど、休みが一周するのに時間がかかる
直感に反しますが、14人3面(待ち2人)は、全員が1回ずつ休むまでに7巡かかります。1試合15分なら約1時間45分です。つまり2時間の練習会では一周しません。「あの人はまだ一度も休んでいない」という状態が起きやすいのはこのパターンです。
この場合は、休みの順番を最初に決めて紙に書き出し、参加者から見える場所に貼っておくと不満が出にくくなります。
割り切れない人数は、順番表がないと必ず崩れる
13人2面なら待ちは5人です。13 ÷ 5 は割り切れないため、全員の休み回数が揃うのは13巡後(各自5回休み)になります。現実的には揃わないので、「今日は休みが2回の人と3回の人が出ます」と先に宣言してしまうのが最も揉めません。
コート数を増やせない以上、待ち時間そのものは減らせません。運営でできるのは「待ち時間を均すこと」と「待つ回数を事前に見える化すること」の2つだけです。ここを外さなければ、待ち時間があること自体は不満になりにくくなります。
コート自体をどう確保するかは 体育館の団体予約ガイド にまとめています。
レベル差があるときはどう組む?
レベル差のあるサークルでは、組み方は2択になります。どちらが正しいかではなく、その日の練習の狙いで選びます。
| 組み方 | 内容 | 狙い | 起きやすい問題 |
|---|---|---|---|
| 均等ペア | 上位者と下位者を組ませ、両ペアの合計力を揃える | 点差が開かず、ラリーが続く。全員がゲームに参加できる | 上位者の練習にならない時間が生まれる |
| レベル別ペア | 近い実力同士で組み、コートも実力帯で分ける | 球速・球質が揃い、技術の練習になる | 下位コートが固定化し、疎外感につながる |
実務的には、1回の練習会でどちらかに固定しないのが無難です。前半は均等ペアでゲームに慣れ、後半はレベル別ペアで球質を上げる、という切り替え方は多くのサークルで機能しています。
レベル別にするなら「固定しない」ことを明示する
レベル別ペアの最大のリスクは、コートが実力の序列として見えてしまうことです。「今日の後半だけ」「次回は入れ替える」と口頭で添えるだけで、受け取られ方はかなり変わります。
初心者を受け入れる場面での配慮は サークルに初心者を受け入れるコツ で詳しく扱っています。
手作業でやるとどこで詰まる?
紙とペンで組み合わせを作れるかどうかは、人数でほぼ決まります。目安は次のとおりです。
| 参加人数 | 手作業の現実 |
|---|---|
| 〜6人 | 頭の中で足りる。ペアの組み合わせは3通りしかない |
| 8人前後 | 紙に書けば足りる。休みの回数も追える |
| 10人を超える | 条件が競合し始める。ペア重複を避けると休みの回数が揃わなくなる |
| 16人以上 | 1巡ごとに数分かかる。組んでいる間、コートが止まる |
詰まる原因は計算量ではなく、条件が2つ以上あることです。「休みの回数を揃える」だけなら簡単ですし、「ペアを重複させない」だけでも簡単です。しかし両方を同時に満たそうとすると、片方を直すともう片方が崩れる状態に入ります。10人前後がその分岐点です。
そしてこの作業が発生するのは、いつもコートが空いている最中です。幹事が紙とにらめっこしている数分間、参加者は待っています。組み合わせ作りが練習時間を削っているサークルは少なくありません。
手作業をやめる判断基準は「人数」ではなく「幹事がゲームに入れているか」です。組み合わせ係になった人だけが試合数が少ない、という状態が続いているなら、仕組みを変えるタイミングです。
スマートスコアではどう作る?
スマートスコア(無料)には、練習会の組み合わせを自動で作る機能があります。やることは2つだけです。
- 今日の参加者を選ぶ(グループの出欠から、参加と答えた人をそのまま引き継げます)
- コート数を入れる
あとは「組み合わせを作成」を押すと、この記事で挙げた3条件——休みの回数・ペアの重複・対戦相手の重複——を考慮した組み合わせが生成されます。次の巡も同じ操作で、それまでの履歴を踏まえて作られます。
- 途中参加・途中退出があっても、その巡から参加者を足し引きするだけで続けられます
- 「この2人は固定ペアにしたい」という指定にも対応しています
- この試合は休みたい人を、その巡だけ除外できます
出欠の回答をそのまま組み合わせに使えるので、「LINEで出欠を集める → 名前を書き写す → 組み合わせを作る」という写し替えの手間がなくなります。出欠集めそのものの工夫は サークルのLINEグループ運営術 にまとめています。
よくある質問
途中から来た人はどう組み合わせに入れますか?
到着した時点で「休みの回数」をリセットせず、その人を最優先の待機列の先頭に入れるのが公平です。すでに何巡か回っている参加者は休みを経験しているため、遅れて来た人を先に入れても不公平にはなりません。ただし基礎打ちの時間を取らずにゲームへ入れると怪我のリスクがあるため、1コートを空けるか、次の巡まで待ってもらう運用が安全です。
奇数人数のときはどう組めばいいですか?
ダブルスは4の倍数で1コートが埋まるため、参加人数を4で割った余りがそのまま待ち人数になります。13人なら12人が3コートに入り1人が待ち、15人なら12人が入り3人が待ちます。余りが1人や2人のときは待ち時間が長く感じられやすいので、その人たちを次の巡で必ず先に入れる順番表を作っておくと不満が出にくくなります。
同じ人と何度も当たるのを防ぐにはどうすればいいですか?
「誰と組んだか」と「誰と当たったか」を別々に記録し、次の巡ではまず組んだ相手を避け、次に対戦した相手を避ける順で選びます。人数が10人を超えるとこの2つを同時に満たす組み合わせが急に減るため、紙で管理するのは難しくなります。アプリで自動生成すると、ペアと対戦相手の重複を自動で避けられます。
レベル差が大きいとき、上手い人と初心者は組ませるべきですか?
その日の練習の狙いで決めます。ゲームに慣れることが目的なら、上位者と下位者を組ませる「均等ペア」にすると点差が開きにくく、全員がラリーを続けられます。球質を上げることが目的なら、近いレベル同士で組む「レベル別ペア」のほうが練習になります。1回の練習会でどちらか一方に固定せず、前半は均等ペア、後半はレベル別ペアと切り替える運用もよく行われます。
組み合わせは事前に作るべきですか、当日に作るべきですか?
当日に作るほうが確実です。練習会は当日欠席や飛び入り参加で人数が変わりやすく、事前に作った表は人数が1人ずれるだけで作り直しになります。事前にやっておくとよいのは「参加予定者の把握」と「コート数の確定」までで、組み合わせそのものは当日の実人数が確定してから作るのが結果的に早くなります。
まとめ
- 優先順位は ①休みの回数 → ②ペアの重複 → ③対戦相手の重複。不公平の体感は試合数の差にもっとも強く出る。
- 待ち人数 = 参加人数 −(コート数 × 4)。全員が1回ずつ休むまでの巡数は 参加人数 ÷ 待ち人数 で見当がつく。
- 待ち人数が少ないほど休みが一周するのに時間がかかる。14人3面は7巡=約1時間45分かかる。
- レベル差は「均等ペア」と「レベル別ペア」を、その日の狙いで使い分ける。固定しないことを明示する。
- 手作業の限界は10人前後。条件が2つ以上あると、片方を直すともう片方が崩れる。
組み合わせは、公平に決めることよりも結果が均等になっているかを確認することが大切です。人数が増えて幹事がゲームに入れなくなってきたら、自動化を検討するタイミングです。
公益財団法人日本バドミントン協会(競技規則)
※本記事の人数・巡数の計算は四則演算によるもので、計算式は本文に明記しています。※競技規則は年度版で改訂されることがあります。得点方式は現行は21点制(2027年1月4日から15点制へ移行予定)です。